盛岡町家旧暦の雛祭り

現在、毎年4月第2土日曜日に開催される「町家の旧暦の雛祭り」は、40以上の会場で、2日間延べで2~3万人の参加者で行われ、道路いっぱいに人が行き交う地域の歳時記として定着し始めました。盛岡まち並み塾が発足して、町家の見学会から始まり、そのなかから最初に取り組んだのが旧暦の雛祭りの開催です。暮らしの歳時記の復活と盛岡の町家を多くの人に見て、考えてもらうためでした。

 
当時、盛岡では町家の言葉自体が死語のようになっていました。商売で使っている以外に住んでいるから残っているわけで、一般に見学できる町家はありませんでした。また、所有者自身、自分が住む町家の意味や価値を知らないのが現実でした。むしろ古くて時代遅れ、寒いし暗いしとチャンスがあれば建替えるか、他に移り住むかという存在でした。 中央公民館に移築された重要文化財の「糸治」ではなく、当たり前のように使われている盛岡町家とその町並みに重要性があることを多くの人に知ってもらう必要がありました。

 
盛岡の旧家では、旧暦でひな祭りをしてきました。明治に新暦に変わっても、盛岡の新暦3月3日はまだ冬で、雪が路肩に残って歩きにくい時期です。春を感じるには4月を待たなければならないことから旧暦で行われてきたようです。各家では、嫁入り道具か初子の女児に買え与える習慣があり、複数組みあって全部飾ったら一部屋ですまない家もあります。祭らないと不幸がある、人形が泣いて火事を出すとされて、内裏様だけにするとかして各家で、ひっそりと絶やすことなく行わてきました。昔は、親族、友人を招いてひな壇の前で小さな膳で食事をして投扇興、貝合わせなどして賑やかに行われきました。

 
何よりも家の中に飾る事になり、同時に町家の中が見ることができます。暮らしぶりも見ることができます。近年、多くの町で行われているひな祭りは、ほとんどが商店会等の主催で、店への集客を目的にしています。私たちは、町家の保存と暮しを次世代に継承するための活動として始めたものです。

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